2013/10/08

ASICS SORTIE MAGICRISE SS

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iPhoneだけでなく、マラソンやランニングシューズ関係での検索で、私のブログへアクセスしていただける方が増えているので、今回はマラソンシューズのレビューを書いてみます。

ランニングシューズを買う場合は、スポーツ店などの店頭で確認したり履いてみたりするのが一番ですが、シューズの種類があまりにも多いため、お目当てのシューズや自分のサイズが在庫していない場合があり、特にレーシングシューズは価格が高く、たくさん売れるものでもないので、店側が在庫として仕入れてくれません。そのため、ネットでのレビュー記事が参考になるのですが、人気のシューズが大半で、レースタイプのレビューはなかなかないのが現状。
私が今回ゲットした、アシックスの勝負シューズ、ソーティマジックライズSSは、発売されたばかりのレーシングシューズなのでレビューは皆無。ショップで展示していることもほとんどないかと思います。どんなシューズなのか知りたい方も見えるかもしれないので、あまり参考にはならないかもしれませんが、気付いた点や感想を写真を添えて述べてみます。

メーカーページはこちら。
-アシックス・Love Running



このシューズはソーティマジックライズの限定モデルで、カラーが違うこのタイプと同時に発売されたのですが、
-アシックス・Love Running


私の買ったものはスピードスペック仕様というモデルで、
■スピード走行に対応するために前足部にハードE.V.Aを内蔵。剛性が高まり、蹴り出し時に、さらなる反発力が生まれる仕様に。
なっているそうです。どのメーカーでもシューズの製造はほとんどが中国製ですが、このシューズは日本製です。
重量は、26cm片側で155gとかなりの軽量。インソールは貼り付けタイプで外せません。他のマジックライズとの違いは、ソールのハードEVA以外には、小指部分のアッパーが皮革て補強されている点。



そしてこのマジックライズは、クッション性よりも安定性を重視したオーバープロネーション向けのタイプだそうです。こちらのページで確認できます。

ソールの厚みは、拇指球部分が15mm、かかと部分が20mmほど。(ちなみに、ターサージールは拇指球15mm、かかと25mm)
サイズにワイドやスリムモデルはなく、レギュラーのみです。ターサージールと比べると、入り口部分は布ではなくナイロンになっており、アッパーも素材も微妙に違っています。





アウトソールの前足部外側は
■高速走行時における前足部での着地衝撃を緩衝するため、アウターソール前足部の外側に軽量性に優れたスポンジソール材(HMW)を配置。
されており、指で押すとグニャリと凹むほどの柔らかさです。そのため、クッションはいいものの、減りはかなり早いかもしれません。



アウトソールには水抜きの穴が空いていました。


■中足部には立体構造のトラスティックを搭載。優れた反発性と安定性の両立を実現。
とのことで、この部分で曲がります。



メーカーのページにはない、正面、後ろ、内側からの写真はこちら。







履いてみた感想ですが、足を包み込むようなピッタリとしたフィット感で、シューレースを結ばなくても走れるレベル。かかとの浮きがまったくありません。アシックスは、私の足型だとかかとが内部で浮くような状態になりやすいのですが、このシューズは皆無。ターサージールもかかとのフィット感が良くなりましたが、それ以上のものがあります。くるぶし下の部分が、ジールなどは布ですが、こちらはクッションが薄めのナイロンなので、余計にフィット感が良く感じられます。
そして、ソールのクッションがとてもいい。普通、レーシングシューズはソールが薄くて硬い印象がありますが、このシューズはかなり柔らかく感じます。

早速、試走。レース本番に使いたいので、確認程度に10kmほど試してみたのですが、アスリートレベルのレーシングシューズはこんなに違うのか!とビックリするほどのナイスなシューズでした。ギリギリサブ3レベルの私には、このシューズは時期尚早で宝の持ち腐れなのですが、そんなレベルの私でも、このシューズのすごさを実感することができました。
まず、軽い。この軽さは裸足のよう。あまりの軽さに、足が勝手に動くような感じになります。そして、ソールのクッションが良く、足の衝撃が少ない。もちろん、トレーニングタイプの厚底ランニングシューズと比べたら、クッション性は悪いのですが、ソールが薄いのにも関わらずクッションが良く、それでいて反発力もあるので、ゴムのように弾みながら、気持よくアスファルトを蹴られるのですね。
ソールの屈曲による反発力も適度なので、しなる重さと、跳ね返る軽さのバランスが絶妙で、自ずとペース速度が上がります。
アッパーのフィット感が抜群で、インソールも貼り付けタイプのおかげか、足が内部でよれる感じがなく、坂やコーナーでの踏ん張りが効きました。ぶれやすい小指部分が皮革で補強されていることの効果もあるかもしれません。
インソールはタオルのようなループ型の繊維なので、ソックスとの相性が良く、裸足でも快適そうです。



かかとのソールが薄いため、フォアフットでの着地が行いやすく、足裏全体に荷重がかかってからの蹴り出しは、かかとが低い分、足首が十分屈曲するので、その反発で足を前へ送り出しやすくなります。かかとの厚みは、ターサージールとわずか5mmの差ですが、人間の足は敏感なんですね。その違いは十分わかりました。また、下りでかかと寄りの着地になったときに、かかとのソールが厚いとブレーキになってしまいますが、マジックライズはかかとが薄いおかげで、フラットフットの着地がしやすいので、速度が殺されにくいです。

欠点は、ソールの寿命が短いと思われる点と、価格が高い点。衝撃吸収力がいいと言っても、トレーニング用と比べればハードなので、レースで数回使ったあとは、短い距離でのスピードトレーニング専用として使うしかなさそうですが、上級レベルのレーシングシューズはどれほどすごいものかを実感するために、私レベルのランナーさんでも試す価値ありです。

さすがに初心者の方には、このシューズは勧められませんが、初心者さんでも、初心者向けの厚底シューズだけでなく、ターサージールなどの上位モデルを試してみる価値はあります。路面からの衝撃がしっかり伝わるので、足に負担のない走法のトレーニングに使えるのですね。ソールがフニャフニャのシューズばかりを履いていると、着地衝撃が強くスピードが乗らない走法で走り続けてしまうので、いつまで経っても走力が上がらないし、故障にも悩まされます。
走法の癖や欠点、脚力不足が如実に現れるのが上位モデルのシューズ。こればかりで走っていると、これはこれで故障を誘発してしまうかもしれないので、ポイント練習にはターサーを、回復ジョグにはGT-2000などの柔らかシューズを履き分けるのがベストかと思います。




シューズを新調すると、俄然やる気が出ます。これを履いてレースで好結果が残せるように頑張るぞー!