マラソンがブームとなっており、各地で開催されるレースの参加者が増え、エントリーが難しい状態となっています。
東京や大阪マラソンなどは抽選となっていますが、大半の大会は先着順。そして申し込みはネットで行うものが多く、エントリー開始時は申し込みが殺到してサーバーがパンク状態。このエントリーのための代行業者はわずかで、ほとんどはランネットのアールビーズ社。ここが力不足のため、多くのランナーが迷惑を被っているのですが、ライバル業者が出てこないのが不思議です。精算システムを構築すれば、あとは自動でお金が振り込まれるというボロい商売で、エントリー手数料1件200円なら、5000人で100万円。フルやハーフ、10kmなど、1つの大会でも複数のレースがあり、シーズン中は毎週のように各地で多くのレースが行われているため、これらの手数料を合算すれば、かなり大きな金額になります。しかも、手数料は最近変更され、参加料が4001円以上の場合は5%が手数料に。ウルトラマラソンやトレランなどの参加料の高い場合は、手数料も高くなります。価格が安くても高くても、システム上の手間は変わらないのに、値上げをしてしまうというのはボッタクリと言われても止む負えないです。
楽天やYahoo、Amazonなど、すでに精算システムが構築されている業者なら、マラソンエントリーの代行をするのは簡単にできると思われるので、大手の企業が参入し欲しいところです。
そして、マラソン大会は定員があるため、抽選か先着順になってしまうのは仕方がないのですが、フルで2時間半を狙うアスリートレベルのランナーや、このレースのために日々トレーニングを重ねている市民ランナー、目標のサブ4やサブ3を目指して頑張っているランナーなども見えれば、タイムよりも参加することに意義があるといった感じで、そこら中のレースに参加される方、お祭り気分で参加される方、仮装して楽しむランナー、スタート直後から歩くような方や、フルマラソンを走るには明らかにトレーニング不足という方も見えます。参加する目的や気力がまったく違うランナーを、1つの大会にぶっ込むというのは、無理があるような気がします。
また、エントリーが混雑するため、本レースと近い日に行われる別のレースにエントリーするという、入試のすべり止めのような方法を取っている方も見えるそうで、もし本レースがエントリーできたのなら、すべり止めのレースは不参加となります。参加料は損しますが、その人のおかげで、参加できない人が1人増えてしまうわけですね。
マラソンは競技スポーツであり、練習の成果を発表するステージであるわけですが、各地で行われているマラソン大会は、地元の観光での利益や活性化も求めているため、お祭り的要素が濃いです。当然ランナーも、いろんな目的で参加するわけで、目的別で参加者を選り分けるわけにはいかないのですが、これだけマラソンの人気が高まり参加者が飽和状態になってしまったのであれば、今後は「マラソン」あるいは「レース」とう名を付けた大会はスポーツとしての競技会にして記録は公認とし、「ランニング」あるいは「ジョギング」という名を付けた大会(例えば”湘南ランニングフェスティバル”とか)は、仮装出場OKで、いろんな物が食べられる給食ポイントを充実させた、NHKのランスマの番組ネタにしやすい、お祭りとしての大会にするという分類が必要に思います。
そしてエントリーは、手数料をピンはねする業者を介することなく、主催者がすべてを引き受け、はがきかウェブでの申し込み、定員分を抽選、当選者は参加料を主催者へ振り込むという形が、手間はかかるものの平等性は確保されるかと思います。
現状のネットの場合だと、エントリー開始時間が仕事の人や、何らかの急用で居合わせることができなければお手上げだし、アクセスに複数のデバイスや回線を利用した方が有利だったりもするので、平等とは言えません。
便利で贅沢な世の中になってしまったおかげで、普通に暮らすだけでは健康を維持することが難しくなり、もっとも簡単で効果的な健康法はランニングだと気付き始めた人が増えたのが、ランニングブームの原因の1つかと思うのですが、これに乗じて、ランニングシューズや衣類、グッズなどの売れ行きも好調になり、マラソン大会も増えてきました。この傾向はまだまだ続きそうですが、マラソン大会のエントリーが椅子取り合戦のような状態となり、コツコツとトレーニングをしているランナーの出鼻をくじくような状態となっているだけに、主催者側に改善を求めたいところですね。