2015/07/11

かなりオススメのマラソン本

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マラソン関係の本はたくさん読んできたのですが、基本的なトレーニング方法の面で参考になったのはこの3冊。







eA式はこれよりも新しい続編が出されていますが、最初の本の方が好きでした。
そして、さらに詳しく解説された本で参考になったのがこの3冊。







最後のマラソン・トレーニングという本は1989年初版の古い本ですが、全327ページと内容は濃く、上級者でも通用する本格的な内容。

ところが、これらの本を更に上回るマラソン本がありました。それがこれ。


ちょっと価格は高いのですが、やや大きいB5判で全367ページ。非常にわかりやすい説明で、イラストや図、表が適度に挿入され、教科書や参考書のような作りです。
マラソントレーニングだけの内容でこれだけの分量の本はめずらしいのではないでしょうか。
目次はこのようになっています。


プロローグ マラソン基礎知識

1章 マラソンを走る身体能力
・マラソンを走るエネルギー
・走るとなぜ苦しくなるのか?
・マラソン記録と身体能力(有酸素性能力)
・マラソンを快調に走るスピード(ATスピード)
・マラソンランナーは遅筋繊維で走る
・筋疲労(筋肉痛)と超回復
・減量すれば速くなるのか
・有酸素性能力を知ろう
☆マラソントレーニングの名言

2章 マラソントレーニングの基本
・トレーニングの成り立ちとねらい
・マラソンスピードとスタミナ
・走った距離は裏切らないのか?
・記録の向上と停滞
・オーバートレーニングの予防
・トレーニングの原理・原則
・トレーニングと意志力
☆マラソントレーニングの名言

第2部 マラソントレーニングを考える

3章 マラソントレーニング法
・マラソントレーニング法
・Jog(ジョグ)
・LSD
・距離走
・インターバルトレーニング(レペティショントレーニング)
・レースペース走
・ビルドアップ走
・ATトレーニング
・起伏走
・マラソントレーニングのペース設定
・ランナーの筋力トレーニング
☆記録を伸ばすランナー、伸ばせないランナー

4章 目標達成のトレーニング計画
・ロードマップの作成
・期分けトレーニング計画
・期分けと月間計画
・期分けと週間計画
☆記録を伸ばすランナー、伸ばせないランナー

5章 レベル別プログラム
・初マラソン挑戦
・初マラソン5時間台完走プログラム
・サブ5突破プログラム
・サブ4突破プログラム
・サブ3突破プログラム
☆トレーニング日記

第3部 マラソンを走る身体をつくる

6章 トレーニングの実践
・1日のトレーニングの流れ
・ウォーミングアップの意義と方法
・クーリングダウンの意義と方法
・市民ランナーはいつ走っているのか?
・夏・冬・雨・気象条件とトレーニング
・疲労回復とボディケア
・トレーニングの継続
☆自覚症状しらべ
☆市民マラソン・ロードレース
☆申し込み時健康チェックリスト

7章 マラソンを走る栄養学
・栄養と食事の基礎知識
・マラソンランナーの食事
・トレーニング時間と食事のタイミング
・速やかな疲労回復と食事
・運動性貧血・疲労骨折の予防と食事
・サプリメントの利用と問題点
・外食・コンビニ食の上手な利用
☆体脂肪計について

8章 走ってやせる
・走ってやせる
・マラソンランナーのウエイトコントロール
☆市民ランナーの12か条

9章 中高年ランナーのトレーニング
・中高年ランナーの身体能力
・中高年ランナーのトレーニング
☆市民ランナーの12か条

10章 女性ランナーのトレーニング
・女性の特性とマラソン
・女性ランナーのコンディショニング
☆女子マラソン世界記録&日本記録の変遷
☆男子マラソン世界記録&日本記録の変遷

11章 レースを快走する準備
・調整=ピーキングを考える
・グリコーゲンの貯蔵を考える
・レースプランを考える
・レースへの準備と行動予定
☆荷物チェック表

12章 42.195kmを快走する
・レースでは何が起こるのか
・レース前のウォーミングアップ
・42.195kmを快走する
・オーバーペースを防いで快走する
・水分とエネルギー補給で快走する
・寒さにも、暑さにも負けずに快走する
・雨にも、風にも、坂にも負けずに快走する
・心理的限界を高めて快走する
・トラブルを予防して快走する
・レース中の安全と死亡事故
・レース直後のケア
☆市民ランナーの12か条

13章 さらなる飛躍に向けて
・レース後の休養とトレーニングの再開
・レースを評価し、次の飛躍を目指す

巻末資料
・体幹エクササイズ
・ランニングシューズの選び方
・レース記録と最大酸素摂取量の関係
・最大酸素摂取量に基づくペース設定
・期分け(長期)トレーニング計画表
・期分け(短期)トレーニング計画表
・月間トレーニング計画表
・マラソン出場記録表
・スプリットタイム表


これさえ読めばマラソントレーニングのすべてわかるといった内容。
2010年出版の本なので、科学的情報は古くなく、乳酸に関する誤った解釈もしていないし、カーボ(グリコーゲン)ローディングの方法論も良い点と悪い点の双方が書いてあります。減量についても、体重を減らすのではなく体脂肪を減らすという重要なポイントが抑えられています。LSDも他の本ではランナーのレベルに関係なくキロ7~8分ペースをすすめる教本もありますが、この本では
心拍数で120程度
最大酸素摂取量の35~50%
1km7~8分
ボルクの主観的運動強度では8~12
と、あらゆる面から適正スピードを導いているため納得がいきます。

この本の対象者はマラソンの完走を目指す初心者から、サブ3を目指すランナーまでを対象にしていますが、すでに2時間台で走れるランナーであっても、役に立つ情報が盛りだくさんで、「中高年ランナーの身体能力」というページは、私のようなオッサンランナーには非常に参考になりました。

この本は発行所が有限会社フリースペース、発売が星雲社となっており、最寄りの本屋さんではあまり扱っていないようで、この本の存在すら知らない方が多いのではないでしょうか。Amazonでのレビューは好評なものの、数が少ないので、良さの程度がわかりにくかったのですが、私もレビューを書くとすれば、5星評価を付けられるオススメ本でした。


この本の最後に「フォーム編」が出るとの予告が書かれていますが、残念ながら現時点でも出版はされていないようです。
それと、現在予約受付中の本がありました。


エンデュランストレーニングの科学 −持久力向上のための理論と実践−

内容がどの程度のものかわからないし、結構値段が高い本なので、図書館にリクエストしようかと。。。