2015/03/04

サブスリー達成者のトレーニングメニュー(Sさん編)

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
サブスリーが達成できる走力は十分あったものの、なぜか大会では結果が残せなかったランナーのSさん。ハーフの現在の自己ベストは1時間20分27秒なので、このタイムなら、換算するための係数を掛けても、サブスリーはクリアできるはず。それなのに、フルのレースでは不本意な結果となっていたのですが、今回ようやくサブスリーをクリアすることができました。
記録は2時間57分23秒。おめでとうございます!

このランナーさんのトレーニングをチェックしていたのですが、非常に参考になるものでした。レース1か月前からの内容を書き出してみます。
青文字はポイント練習、カッコ内はターゲットペース、その後ろの数値は走行距離、走行時間、平均ペース、平均心拍数です。

1日 ジョグ 5.68km 32'18 5'41/km

2日 休養日
3日 インターバル走(3,6,9,12,6,3分 3'40/km) 12.37km 49'12 3'58/km 155bpm
4日 休養日
5日 ペース走(4'00/km) 20.17km 1:19'52 3'57/km 152bpm
6日 休養日
7日 休養日
8日 ロングペース走(4'15/km) 31.18km 2:09'05 4'08/km

9日 休養日
10日 ペース走(3'50/km) 10.02km 37'24 3'43/km 158bpm
11日 ジョグ 14.11km 1:26'45 6'08/km
12日 ペース走(4'00/km) 20.23km 1:18'37 3'53/km 151bpm
13日 休養日
14日 ペース走(4'15/km) 25.51km 1:47'11 4'12/km 141bpm
15日 休養日

16日 ジョグ 14.51km 1:31'29 6'18/km
17日 インターバル走(2km×4本 3'45/km) 9.02km 37'57 4'05/km 150bpm
18日 休養日
19日 休養日
20日 ジョグ 5.97km 41'59 7'02/km
21日 ジョグ 13.06km 1:25'44 6'33/km
22日 ペース走 21.4km 1:28'29 4'08/km 160bpm

23日 ジョグ 10.12km 1:02'14 6'09/km
24日 インターバル走(5km×2本 4'00/km,3'55/km) 10.17km 39'35 3'53/km 149bpm
25日 ジョグ 22.27km 1:55'31 5'11/km
26日 休養日
27日 ジョグ 12.99km 1:08'50 5'18
28日 休養日
3月1日 レース 42.195km 2:57'27 4'12/km

ポイント練習9回、ジョグ8回、休養日11日、トレーニング走行距離249.78km。

ポイント練習は、目標ペースを設定して徹底的に追い込み、ジョグでは十分に足を慣らし、休養日を増やしてしっかり疲れを抜いています。
30kmロングは1本となっていますが、20~25kmのセミロングのペース走を3本も入れることで持久力強化を図っているし、その走行ペースは、サブスリーをやや上回るほどのペース設定にしてあるため、レースを想定した実践的なものになっています。
トレーニングの合計距離は250kmほど。月間走行距離を意識するようなことはせず、コンパクトにまとめています。もし、月に400km前後も走ってしまう内容だとしたら、ポイント練習の回数や強度は減っていることかと思います。
レース1か月前とはいえ、サブスリーを狙うランナーにしてはやや少なめの走行距離ですが、ポイント練習と休養を重視しているため、ダラダラ走って距離を増やす内容よりもはるかに充実しており、PB更新だけに的を絞った洗練されたメニューになっていますよね。

多くの市民ランナーは、一人でコツコツとトレーニングを行っているため、自分が監督であり、コーチであり、マネージャーであり、選手となります。
そのため、トレーニングは自分で自分を指導する必要があるため、あらゆる理論や方法論をランニング雑誌や書籍などで学ぶ必要があるのですが、他の優秀なランナーさんのトレーニングを参考にすることも非常に効果的で、的確なトレーニングを行っているランナーさんは確実に上達しているし、目標を目指すためのモチベーションも高いため、学ぶべき点は多いです。
このランナーさんは、今回サブスリーを達成しましたが、メニューを見る限り、更にレベルアップすることは確実に思えますよね。近いうちに50分切りもクリアできるように思います。

逆に、エリートレベルのランナーであっても、社会人になってからは我流でトレーニングをしているためか、毎日休みなく非常に多くの距離を走ることに価値を感じ、頑張った自分を自画自賛しているランナーさんもみえるようです。そんなランナーさんを見習ったところで、身が持たないし、休養の重要性すら知らないようでは、スポーツ選手失格。指導者がいたとしたら「馬鹿者!」と一喝されそうなお粗末な内容です。
トレーニング方法を参考にするには、単にフルマラソンのタイムが速いランナーではなく、必要最低限のトレーニング量で好タイムをマークし、現在も自己ベストを更新し続けている頭脳的なランナーさんから学ぶようにすべきだと思います。

年齢が高くなればなるほど、ガンガン走るだけのがむしゃらなトレーニングはこなせなくなるようになるし、マラソンのためだけに多くの時間とエネルギーを消費しているマラソンバカになってしまうと、仕事や私生活だけでなく、健康にも悪影響を及ぼします。それだけに、効率良く効果の高い結果重視のトレーニングをするようにし、無駄を削ぎ落として、慢性的な疲労を残さないことが大切になってきます。
あくまでもマラソンは趣味の一つであり、楽しむことが最も大切なので、あまりストイックになる必要はないのですが、上達するなら無駄に遠回りしたくないですよね。
走歴が増えれば増えるほど加齢の影響が出て、目標はますます遠のくだけに、ある程度のレベルまでは、優秀なランナーさんを見習って、要領よく短期にクリアしておきたいものです。

私は年末から続いていた長期の故障が、ようやく治りそうな感じなので、Sさんのような優秀なランナーさんをお手本にしながら、次の目標に向かってトレーニングを再開しようと思っています。

ランディノート: サブスリー達成者のトレーニングメニュー(自分編)