以前、サブスリーを達成することができたランナーさんのレース1か月前のトレーニングメニューを紹介したのですが、
ランディノート: サブスリー達成者のトレーニングメニュー(Sさん編)
今度は、自分のレース1か月前のトレーニングメニューを公開してみます。青文字がポイント練習、赤文字がレース。
カッコ内がターゲットペース、その後ろが走行距離、走行時間、平均ペース、平均心拍数。
2014年のものです。
10月1日 ジョグ 7.07km 41'56 5'56/km 105bpm
2日 ペース走(4'00/km) 10.02km 38'52 3'53/km 150bpm
3日 休養
4日 ペース走(4'00/km) 15.02km 1:00'48 4'03/km 147bpm
5日 レース(長良川クォーター)39'16 3'40/km 158bpm
6日 休養
7日 ペース走(4'00/km) 20.07km 1:21'42 4'04/km 148bpm
8日 休養
9日 休養
10日 ロング走(4'10/km) 30.02km 2:02'49 4'05/km 150bpm
11日 休養
12日 ジョグ 16.01km 1:29'37 5'36/km 118bpm
13日 休養
14日 ペース走(3'50/km) 10.02km 38'51 3'53/km 154bpm
、、、ジョグ 10.05km 56'20 5'36/km 121bpm
15日 ビルドアップ走(5'00/km→全力) 20.04km 1:33'05 4'39/km 129bpm
16日 ジョグ 6.04km 34'51 5'46/km
17日 ジョグ 15.03km 1:15'33 5'02/km
18日 刺激入れ 3.02km 11'41 3'52/km
19日 レース(菰野ハーフ)1:21'11 3'52/km 154bpm
20日 休養
21日 ペース走(4'00km) 20.36km 1:21'25 4'00/km 151bpm
22日 休養
23日 ロング走(4'15/km) 30.00km 2:10'37 4'21/km 141bpm
24日 休養
25日 休養
26日 ビルドアップ走(5'00/km→全力) 20.05km 1:26'12 4'18/km 140bpm
27日 休養
28日 ペース走 (4'00/km) 10.26km 41'15 4'01/km 147bpm
、、、ジョグ 5.06km 27'59 5'32/km 120bpm
29日 ジョグ 10.05km 50'37 5'02 128bpm
30日 ジョグ 12.18km 56'35 4'39/km 133bpm
31日 休養
11月1日 休養
2日 レース(あいの土山フル)2:55'36 4'08/km 149bpm
3日 ジョグ 15.11km 1:18'43 5'13/km 118bpm
4日 休養
5日 ジョグ 10.02km 50'09 5'00/km
6日 ジョグ 8.04km 46'57 5'50/km 110bpm
7日 休養
8日 刺激入れ(WS) 5.07km 23:01 4'32/km 139bpm
9日 レース(いびがわフル)2:52'48 4'03/km 154bpm
2週連続フルマラソンとなっているのですが、最初のフルまでの1か月間では、ポイント練習12回(レース含む)、ジョグ9回(刺激入れ含む)、休養14日となり、10月の月間走行距離は302kmになります。
ポイント練習と休養を重視することでメリハリを付けるようにし、つなぎのジョグを減らして休養を増やすことで、ポイント練習の疲れをしっかり抜き、次のポイント練習に備えるようにしていました。また、慢性的な疲労をためないようにするため、月の走行距離を増やさないようにしました。
途中でクォーターとハーフのレースが組まれていますが、自己ベスト更新は狙っていたものの、クォーターは初参戦、ハーフは高低差が激しいコースのため、本命レースとは位置付けず、ポイント練習の一環としていました。
トレーニングメニューは厳格に決めているわけではなく、その日の体調や天候で任意に変更しています。雨の日は絶好の休養、補強日和としています。その補強は、こちらの本の体幹トレーニングメニューを取り入れています。(下記のリンク先は新しい増補版)
レースでは自己ベストを更新できたので、このトレーニングメニューは結果的に正解だったと思っています。
重要視していたのは、月間走行距離を無駄に増やさないことと、ポイント練習をしっかり行うために、休養をしっかり取ることでした。
以前書いた、サブスリーを達成したSさん。そのSさんから、「ポイント練習の強度を上げたところ、疲労が抜けなくなり、練習の量と質のバランスがとれなくなっている」という悩みを受けたことがあったのですが、それの回答として私は、「追い込みたい時期なら、ジョグを減らしてポイント練習と休養の組み合わせが効果的」というアドバイスをしました。これは、今回の私の経験によるものです。
Sさんは、レース前の1か月間を、ポイント練習9回、ジョグ8回、休養日11日、トレーニング走行距離250kmというメニューにしました。休養を重視して走行距離を抑えたことで、ポイント練習で走力をアップしながらも、疲労の慢性化を防ぐことができ、そのことが、サブスリーの達成に一役買ったかもしれません。
レース1か月前ともなれば、のんびり休養していては不安になるため、少しでも走っておきたくなるのですが、これをグッと我慢してしっかり休養し、その不安をハードなポイント練習で解消すれば、好結果が得られやすいかと思います。
よく、疲労抜きのジョグといいますが、本当に疲労を抜きたいのなら、ランは休んで栄養のあるものを食べ、のんびり入浴をして早めに寝たほうが、回復効果が高いのは当たり前で、そこで無理にジョグをしてつないだところで、何のプラスにもならないと思います。月間走行距離を目標にしていたり、人一倍たくさん走ることに価値を見出してしまっているランナーさんは、これができないのですよね。
ジョグは、体重や体脂肪を減らしたり、筋肉の張りをほぐしたり、筋持久力のあるランナー体質に改造するための、大切なトレーニングの一種で、ストレス発散や健康維持にも効果的ですが、ジョグは普段から念入りに行なっているトレーニングであるため、レース間近の時期であれば、ある程度省いても問題ないと思います。
それとロング走ですが、一般的にはレース2~3週間前までには終わらせるようにと言われていますが、私の場合は経験上、適度な休養を挟めばレース10日前までなら十分疲労が抜けると考えています。そのため、今回はジャスト10日前に終わらせるようにしました。
また私の場合、インターバル走はほとんど行っておらず、スピードメニューはペース走が主体となっています。
インターバルは負荷が高く、走力アップの効果が高いのですが、ペースや心拍数の上下が激しく、追い込む度合いのコントロールがやりにくいのと、私の年齢が高いのもあり、あまりにも心拍数が跳ね上がってしまうと、脳から「ヤバイ!危険!」という指令が発せられ、制御不能のような不安感に陥るのですよね。このまま逝ってしまいそうな感じで(^_^;)
その点ペース走(LT走)は、急激に心拍が上がったりはしないので、危険度が少なく追い込みやすいです。
今回、フルマラソンのレースが好結果でクリアできたのは、休養を重視したからだと思っています。もし月に400km近くも走っていたのなら、疲労が慢性化し、失敗レースになっていただろうと思います。
自分のレベルに見合ったトレーニング量を守り、走力を確実に向上できる高負荷なポイント練習を行い、疲労を残さないようにしっかり休養をし、故障予防の補強やメンテナンスを念入りに行う。無理や無駄を減らしてメリハリを付け、トレーニングの基本を忠実に守れば、自動的かつ確実にレベルアップできるように感じました。
このレースが終わって以降、緊張の糸が切れて気が抜けてしまい、この年の終わりに、案の定故障をしてしまったわけですが、基本を忠実に守り続けていれば、こんなことにならなかったはず。これからはレース後も、怠けずコンスタントに補強やメンテを行い、ランニングを楽しみながらも少しずつレベルアップができるよう、努力したいと思います。