私の体験談で科学的根拠はないのですが、ランナーの場合の糖質制限について書いてみます。
巷で流行っている糖質制限。
主に炭水化物の摂取量を制限するもので、ダイエット目的として人気となっています。
この理由をわかりやすく解説したマンガがありました。
【マンガ】糖質制限ダイエット「糖質を食べないとバカになる?」 | 池袋 皮膚科/ゆうスキンクリニック池袋駅0分(皮膚科・美容皮膚科)
しかし、問題点もあり、こちらに解説されています。
糖質制限3つのメリットと7つのデメリット(問題点) | 40代主婦若返り愛の健康茶ー日本山人参情報センター
どんな健康法でも一長一短があるため、どうすりゃいいのかわからないのですが、忘れてはいけない点がひとつあります。それは、世の中に出回っているダイエット法や健康法などは、ほとんど運動をしていない一般人に向けたものということ。仕事はデスクワーク、運動は一切しない、間食はジャンクフード、夜は毎晩晩酌、休日は家でゴロゴロ、体型はメタボ。こういった方は、あらゆる健康法にトライすべきですが、ランナーの場合は別。
カロリー消費が極めて高いランニングをコンスタントに続けている人は、健康法を勧める側からすれば、その対象者ではありません。マラソンの大会に向けて本気モードでトレーニングをしている人は、巷で流行っている健康法を行うべき対象者からは、かなりかけ離れた存在です。糖質制限どころか、一般人よりも多くの糖質を必要としているのですね。
トレランの鏑木選手など、エリートランナーでも糖質を制限されている方が見えるようですが、普段の食事量と、糖質制限量、トレーニング量、体質などが絡んでくるので、鏑木選手が糖質制限しているのだから僕もしようと安易に決めるわけにはいきません。
私は糖質制限はしていないのですが、ここ最近の狂ったような猛暑のおかげで、食欲が減退し食事量が減ってしまいました。おかずは食べられるものの、ご飯の量は減りました。そして、長年禁酒をしていたのですが、ビールを復活させました。そのため、夜はご飯(米)を食べないこともしばしば。
こんな状態が1ヵ月ほど続いたため、体重や体脂肪はわずかに減りました。体重は1.5kg、体脂肪は1%ほどダウン。
そして猛暑のため、ランニングが思うようにできず、距離もペースも落ちる一方。スローペースで5kmほど走っただけで、疲労困憊するのですね。止まって歩きたくなります。夜に走っているのですが、昼間に熱せられた地熱がひどく、湿度が高くて気化熱が奪われないため汗だくで、頭の上まで熱くなって熱中症になりそうな勢いです。
これだけ暑いからランニングなんて無理で当然と思い諦めていたのですが、ある日、回転すしに行きました。
エアコンの効いた場所で、いろんな種類の寿司が流れてくると、暑くてバテていた状態でも食欲は増します。途中で食べる生姜も、食欲を増進させます。10皿なんてあっという間。これで最後にしよう、この皿で最後だ。と続けているうちに腹がパンパンに。苦しいほど食べたのは久しぶり。
で、その翌日のランニングが快調に。しっかり食べたのが良かったのか?と思い、その後、ご飯がたくさん食べられる牛丼やカレー、ラーメンライス、大盛りパスタなどを食べ、夜のビールはやめて、暑くても食べやすいざるそばやそうめんに。
そうしたところ、走っても全然疲れないし、暑さにもある程度耐えられるようになりました。
ジョグの途中で、堤防にある国交省が立てた200m毎のポールを利用し、200mや400mの全力走を数回繰り返したのですが、走りやすい冬と変わらぬタイムで走れました。
20kmジョグをしても、最後まで全然疲れない。もっと走りたいけど、これ以上時間が遅くなると、眠りに支障が出るからという理由でやめました。
炭水化物の効果は絶大で、こんなに違うものなのかと改めてビックリ。ここ最近の不調は、猛暑と貧血が原因かと思っていたのですが、糖質不足が原因でした。
ランナーの場合の糖質制限は、脂肪燃焼などのダイエット効果はあるかと思いますが、パワーが出ないため肝心のトレーニングに力が入らず、心肺機能や脚力の向上を妨げてしまうのですね。
どんな方法論でも一長一短があるため、長所と短所を天秤にかけ、自分にとってはどちらが有利なのかを考える必要があります。
そして頭のなかで考えて理屈をこねるだけでなく、実際に自分で試してみて、効果のほどを確認し、それを続ける必要があるのかどうか、もし途中でやめてしまった場合の問題点はないのかなどを、判断する必要があると思います。
一般的に言われている健康法は、あまり運動をしない一般人に向けられたものがほとんど。減塩もそうで、運動をして大量の汗と塩を排出しているスポーツ選手に減塩なんてもってのほか。運動すると梅干しがものすごくうまいと感じるのは、身体が欲している証拠なんですよね。
塩に関しては、こちらのページで説明されています。
過度な塩分不足は命にかかわる/塩と体の話 -減塩ネット-
多くても少なくてもダメなのですが、一般人とランナーとは分けて考えるべきです。
ランナーでも、5km程度の距離を週に2回程度という健康志向の人もいれば、平日は10~15km、内スピードトレーニング2回、休日は30~35km、補強運動は週に2回行っているランナーもいるわけで、後者のカロリー消費量は一般人とは桁違いなんですね。
このランナーに糖質制限や減塩、1日1食健康法などの方法論が当てはまるわけがない。
マラソンよりも過酷なトライアスロンとなると、日本女子トップアスリートの上田藍選手の場合は、1日の食事での摂取カロリーは、なんと6000kcal(レース中継時の解説者の説明)とのこと。ちなみに、一般的な成人の必要カロリーは1800~2200kcal。
上田選手は身長155cm、体重44kgという小柄な体格でこのカロリーなので、想像を絶するトレーニング量ということになります。
胃の大きさや消化の早さには限度があるので、炭水化物や上質の栄養素を、いかにたくさん効率良く摂取するかということも、このクラスの選手にとっては、トレーニングの一環になってくるようです。
降って湧いたような流行りの健康法は、メタボな一般人向けのものがほとんどで、スポーツ選手には通用しません。アスリートレベルでなくても、一般人より多くの運動をしているのなら、一般人向け健康法の対象外となります。
そして、限界ギリギリを極めるレベルであれば、計算された糖質制限や、ダイエットが必要かもしれませんが、そこそこのレベルの市民ランナー程度であれば、しっかり走るためにしっかり食べることに、意識を注いだほうが効果的だと思います。
今回、炭水化物の必要性を身を持って実感した私は、改めてこのことを考える機会ができました。人の健康法の話を聞くよりも、自分の身体の声を聞くようにすることの方が大切ですね。
自分の身体がなぜ不調なのか?
身体は何をして欲しいのか?
言葉が話せない身体は、何を訴えているのか?
自分の脳がドクターになったつもりで、身体の変調を調べてあげることが大切で、ストレスがかかる運動時は、その声が聞きやすい状態にあります。
そしてその答えは、ご飯を食べる、レバーを食べる、ストレッチをする、補強運動をする、休養をする、アルコールを控えるなど、案外シンプルなものが多いのですよね。
とりあえず私の場合は、夏バテに負けずにトレーニングするには、
・炭水化物をしっかり食べる
・アルコールの解毒に体力が奪われ、炭水化物の摂取の妨げになるビールはとりあえずやめる
という答えが得られたので、身体の要望に答えてあげようと思います。