2014/07/26

レース1週間前のトレーニング

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調整の基本的なことは、体にたまった疲労を抜き去ることです。大学や実業団のチームでは、レースの3週間前か2週間前から調整に入ることが多いのですが、これは、チームや監督やコーチの考え方によります。
特に強豪チームの場合には、調整によって選手のレースでのパフォーマンスに大きく影響することがあり、調整方法については、トップシークレットとしているところが多いようです。
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調整に入るまでは、一般的に強度の高いトレーニングを実施します。強度が高いということは、言い換えると質の高いトレーニングです。長い距離を走ったり、速いスピードで走ったりします。一般的に「走り込み」と言われている期間です。ここまでのトレーニングは右肩上がりのメニューをこなすようにします。
質の高いトレーニングを積むと、必然的に体には疲労が蓄積されます。この疲労を取り除き、レースに万全な体調とフレッシュな気持ちで臨むことが、調整期間の最も重要なことなのです。
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どんなランニングをしたときに調子が良かったのか。それを知るためには、トレーニングの内容を書き込むノートをつけるといいでしょう。「あのときはうまく走れた」という「あのとき」を思い出すには、メモしておくことが必要です。

”10人いれば10タイプの調整法がある。自分の調整法を見つけよう。”

マラソントレーニング(ムック)P142 澤木啓祐氏

ということで、マラソンのレース期はまだまだ先ですが、私が行っている調整法を書いてみます。
私の場合は2週間前から調整とするのですが、30km以上のロング走はレースの10~15日前までに終わらすだけで、その週は普段通りのメニューを続けています。そしてラスト1週間から、メニューを変えています。
週末の日曜日がレースとすると、

月曜日 ペース走かビルドアップ走のスピード系ポイント練習。
「目的:レースペースに身体を馴染ませる」

火曜日 筋トレ(できればジムで)。筋肉痛が起こるレベルの負荷で全身をトレーニング。
「目的:この日なら、レースまでに十分回復できる。筋肉痛の治癒でエネルギーと栄養が使われるため、体重・体脂肪維持もできる」

水曜日 足にやさしいシューズで軽めのジョグ
「目的:疲労抜き。この日はP錬の影響で結構身体が重いはず。」

木曜日 軽めのジョグ+ウィンドスプリント数本
「目的:疲労抜きと、筋肉痛の回復促進(この日あたりが筋肉痛とだるさのピーク)」

金曜日 完全休養日(長湯やストレッチでの疲労回復)
「目的:しっかり休むと同時に、栄養価の高い食品を摂る(レバー、イワシ、納豆、豆腐、卵など)」

土曜日 刺激入れ(レースペースよりやや速めのペースで2kmほど。前後にスロージョグ)
「目的:体のキレを良くすることと、レースシューズのフィット感の確認。そして体調の最終確認。」

土曜の晩は、半身浴や温冷浴の長湯と、ストレッチで睡眠を促す。
カーボローディングなど、普段の食生活や通じのリズムを乱す変わった行為はせず、栄養価の高いおかずと、いつもの量のご飯を食べるようにする。
(レースといえども、普段のトレーニングで行うロング走と大差はないので、カーボをするならトレーニング時点で試しておくといいです。私の場合は、これといった効果は出なかったので行ってません。ギリギリ限界まで身体を絞ったエリートランナーなら効果があるのかもしれませんね。)

レース当日の朝飯は、いつものように納豆卵かけご飯と、数種のおかず。梅干しをいくつか食べておくと、発汗での塩分枯渇による足の痙攣やつりを防げる感じです。
レース日の朝は、やや身体が重くだるいくらいの仕上がりがベストと言われていますが、実際に、その状態で自己ベストが出ました。
現地に着いたら、スタートまで極力動かない。私は横になってます。ハーフ以上距離のレースはウォーミングアップはしません。

アップして7分たったら0になる
(小出監督からの教え。高橋尚子さんから聞きました。)

一般ランナーはスタートでかなりの時間待たされるので、アップは行わず、準備会場でのんびりくつろぎながらストレッチやマッサージをするくらいです。レース最初の2~3kmは混雑するので、その区間をアップとしています。

スタート1時間~30分前に、ゼリーやバナナ、スポドリなどを食します。レース中は、空腹やバテ対策として、カロリーの高いゼリーを1つ持参します(フルのみ)。レース中にエイドで食しても、それが吸収されエネルギーとして使えるには消化と吸収の時間が必要。レースで使えるエネルギー補給は、点滴でもしない限りゴールまでに間に合いません。そのため、持参したゼリーは栄養補給というよりも、食べたことによる安心感の、精神的な意味合いが強いです。


調整メニューは天候や体調等により左右されますが、基本はこんな感じです。
ポイントは、週の前半に筋トレを入れる点。
この筋肉痛で無理なトレーニングができなくなり、身体を動かすのも億劫になるため、必然的に回復重視のメニューになり、身体のエネルギー充填ができます。
不調から絶好調へのリズムを、レース最終週に故意に作っておくのですね。
毎回、レースはこのパターンを繰り返していますが、今のところ好結果を残すことができています。
練習法や調整法は人それぞれなので、試行錯誤しながら自分にあったものを見つけるしかないのですが、ポイントは、澤木啓祐氏の言葉のように、トレーニング日誌を付けておくことが重要ですね。日誌を読み返して、ラインを引いたりコメントを書いたりしながら分析をし、そのまとめを日誌に追記しておくといいようです。