2014/07/24

真夏のマラソントレーニング

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猛暑のこの時期の、私のトレーニング方法は、

・ロング走はしない
・LSDもしない
・ロング走の代わりに2部錬
・ジョグは自転車を併用する
・走るのは朝と晩。昼に走るのは山間部の樹林帯
・夏は短時間で終わるスピード、パワートレーニングと、室内での補強トレーニングがメイン

ロング走をしない理由は、外で突っ立っているだけでも辛い猛暑のこの時期、ランニングをしたところで暑さに耐えるのに精一杯で、マラソンのための走力アップにつながりにくいのですよね。汗だくで苦しくてペースも上げられないし、炎天で2時間も3時間も走っていれば、熱中症や筋肉の痙攣も起きてしまいます。
早朝や晩の気温の低い時間帯でも、湿度の高い熱帯夜がほとんどなので、長時間のランニングは苦痛との戦いに。
真夏のレースや砂漠レースに出るのであれば、猛暑でのトレーニングは必要かもしれませんが、冬に行われる一般的な大会に出るのであれば、異常な暑さに耐える能力は不要。それよりも、目標のペースで長時間走れる持久力を養うことが大切で、そのロング走のトレーニングは、猛暑が一段落した時期から開始しても遅くはありません。
気温が低くなればペースアップも容易なので、実践に近いレベルのトレーニングを行うことができます。

LSDも同じで、焼け付くアスファルトの上を、暑さに耐えながらダラダラペースで走っていても、マラソンのためのトレーニング効果は低く、暑さに我慢する忍耐力がアップするだけです。しかも、LSDのキロ7〜8分というスローペースは、摺り足のような小さなフォームで走ってしまうため、ウルトラを制限時間内に完走を目指しているのであればトレーニング効果はありますが、ある程度の速いペースで走らなければならないマラソンの場合は、妙な走り癖がつくだけです。
小出監督のLSDはジョグ並のペースで走る必要があるので(サブスリーが目標のランナーで20~32kmをキロ4分50秒ほどとのこと)、トレーニング効果は高いのですが、他のコーチがすすめる極端に遅いLSDをするのなら、関節の稼動域が大きいウォーキングを長時間行った方が、効果が高いのは自ら体験済みです。
そもそも、上級者、初級者を問わず、キロ7~8分と指定してる自体おかしいわけで、上級者なら足踏みをしているかのような遅さだし、フルを5時間で走る初心者ランナーさんからしたらレースペース並の速さになってしまいます。ペースタイムではなく、心拍数100~110bpmといった指定なら納得できるのですが。
またLSDは、血行が良くなり毛細血管が発達し・・・などと解説している方も見えますが、それなら心拍数が高いジョグペースやミドルペースで行った方が効果は高いはずで、超スロージョグの方が効果が高い科学的根拠を示した方は今まで見たことがありません。

特殊なメニューの場合、効果があるのかどうかは、人の話を真に受けず、実際に自分で試してみて確認するといいようです。私の場合、LSDを行うのなら、ジョグペース(キロ5〜6分)でのロング走か、長時間のウォーキングで十分であり、何度か試してみた極端に遅いLSDは、フルやハーフのマラソンのためのトレーニングの場合は、マイナス効果の方が高かったです。

トレーニングの時間帯は、気温が低い早朝か、日差しがない晩がいいのですが、朝は7時頃では遅すぎで、気温の変化からすると4〜5時頃がベスト。
私の朝ランは、バナナとコップ一杯の水を飲んで、1km弱のウォーキングを行ってから、ゆっくりスタートしています。起きたばかりの朝は身体の負担が大きいので、トレーニングメニューはスロージョグがほとんどです。また、朝は自転車を利用することも多いです。
自転車は、大きな扇風機の前で走っているようなものなので、非常に涼しく快適なのと、ランのような着地衝撃がないので、足を痛めたときや、疲労がたまっているときでも、無理なく走ることができます。ランに比べて関節や筋肉の動きも大きいので、疲労回復効果も高く、故障時のトレーニングとしても活躍しました。

夜は、あまり遅い時間だと、ランニングで精神的にテンションが上がって入眠しづらくなるので、寝る前の2時間前には終わらせたいところ。私は19〜21時頃に行っています。夜は早朝に比べて気温が高いですが、身体の動きが活性化しているので、ポイント練習は夜のみ行っています。

ちなみに、1日の気温の変化をチェックするには、グラフ表示が見やすいこのアプリが便利です。気温、降水量、風速風向、気圧、UV予報を折れ線グラフや棒グラフで見ることができます。
走るコースは一般道よりも、川沿いの堤防が快適。できれば、川が風上側にあると涼しいです。森林公園も、日中は日陰で路面が熱せられていないため、晩は比較的涼しいです。早朝は、田んぼ周辺が涼しいですね。田んぼのあぜ道のダートは足に優しいので、疲労抜きのジョグにも最適です。


夏場のトレーニングメニューは、スピード強化として、

・LT走(ハーフのレースペース)
・ペース走(フルのレースペース)、ミドル走(フルペースの10~20秒増し)
・ビルドアップ走
・インターバル走

パワー強化として、

・坂道インターバル(峠道や高架橋を利用)
・起伏走(丘陵公園や林道などを利用)
・筋トレ(主に体幹)

上記のポイント練習のつなぎとして、疲労抜きのジョグを10〜15kmほど。自転車なら20~30kmくらい。自転車はランに比べて負荷が低いので、自転車の距離はランの2倍程度に換算してちょうどいいくらいです。
持久力を養うロング走は夏場は封印し、長くても20kmまでにします。猛暑が一段落した盆明け以降に徐々に開始し、9月の走り込み期から30km走や3時間走などの数を増やします。

夏場にスピードとパワーを、晩夏から秋に持久力を付け、レース1ヵ月前に双方のレベルを融合しながらトレーニング量を最大にし、本命レースの11月に走力レベルがピークに達するようにすると、トレーニングの成果が記録となって表れることかと思います。
それには、季節、気温に適したメニューを選別して、効果の高いものをしっかりこなし、効果の低いものは避けることがポイント。学生や実業団のように、夏場は避暑地や高地で合宿をしてトレーニングができればいいのですが、一般の市民ランナーは、そういうわけにはいきません。そのため、暑さの悪影響を受けないよう、できるだけ短時間で、中身の濃いトレーニングをすることが重要になってきます。
なぜ、今日そのトレーニングをしたのかを、しっかりとした理由と共に説明できるようなトレーニングができてこそ、効果があるのだと思っています。
それには、いくつかの教本を読んだり、他の方の練習方法をチェックしながら、適したトレーニング、適さないトレーニングをふるいにかけ、自分のとってベストなメニューを組んで実行する。そして、そのトレーニングが正しかったかどうかは、レース結果が教えてくれることかと思います。頑張りましょう。