2014/11/03

2014 あいの土山マラソン

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滋賀県甲賀市で行われた、第28回あいの土山マラソン大会に出場してきました。初参加です。
ハーフとフルの種目があり、私が出たのはフルマラソン。
ここのコースは日本陸上競技連盟が認める公認コースなのですが、高低差があるため記録が出にくく、定員もハーフ、フル合わせて4200人までとなっているため、規模はやや小さめ。
そのおかげで、駐車場、受付、準備などで混雑することはなく、スムーズにスタートが切れました。
この日は、前日の晩まで降った雨は上がったものの、レース時の気温は20度、湿度89%と、11月とは思えない暖かさで、マラソンにはかなり蒸し暑い天候となりました。

受付の様子。





各ブース。





ランニングシューズが結構安かったです。例えば、ターサージールTSが7000円とか。



準備は体育館が利用できました。



参加賞はシャツと地元の近江茶。



開会式の様子。このステージで表彰式も行われました。



トイレはさほど待たされることなく利用でき、簡易シャワーまで設置されていました。



ちなみに、この場所は田舎なものの、中学校や体育館、町の運動場やテニスコートなどがある主要なスポットなのに、auは電波の入りが非常に悪く、圏外になったり低速接続になったりとかなり不安定。ドコモは問題なし。ソフトバングは未確認。学校などは緊急の避難場所に使われたりする施設でもあるのに、通信が不安定だなんて呆れてしまいます。

ゴールは体育館のすぐ横なのですが、



スタートはちょっと離れていて、歩いて向かいます。





スタート直前の様子。





スタート直後の様子。




陸連登録ランナーのあとに、一般ランナーが並ぶのですが、ゼッケン番号順なのと、女子からのウェーブスタートのため、かなり混雑してしまい、ペースが上げられません。ただ、フルなので、最初はウォーミングアップと考えればいいし、この時のタイムロスは、あとの長丁場でいくらでも挽回できるので、無理矢理ジグザグに追いぬくことなく、群れの中をスイスイと泳ぎ進む魚をイメージして走りました。
この会場は、中学校を利用しているため、グラウンドをアップ会場として使えるのですが、ハーフやフルの場合、一般の市民ランナーレベルでは、アップは不要と考えています。身体を温めても、スタート待ちが長いため冷めてしまうし、これからスタミナを酷使するレースが始まるのに、事前にアップでエネルギーを消費してしまってはもったいない。アスリートレベルのように、スタート直後にキロ3分ペースで走るとなれば、それなりに心肺や筋肉の事前準備が必要かと思いますが、一般ランナーなら、5000mや10kmのレースなら別ですが、ハーフやフルの場合は、アップなどせず、身体をマッサージでほぐしながらゆっくり休んでいた方がいいように思います。

混雑する区間を過ぎ、山道を走るのですが、いきなり坂道となります。



このコースの高低差はこんな状態。



10kmまでは上りとなるのですが、この時点では余力があるため、さほどキツくは感じません。ただ、18kmあたりにある急登はかなりキツく、心臓破りの坂と言ってもいいレベル。そして、更に最悪なのが、27kmあたりから始まる坂。じわじわと上り続けます。フルマラソンの25km以降は平坦路でさえ苦しくなるのに、そこが坂となっているので、ペースがガタ落ちになります。
しかも、ラストスパートをかける40km以降も上り坂となっており、スパートどころか、現状維持すら厳しい状態に。
そのため、普通のコースなら、イーブンペースがベストなのですが、ここに限っては、比較的楽な前半でタイムの貯金を作っておき、ペースが乱れる後半に、貯金したタイムを切り崩していくという、ペース配分がいいように思います。

コースは、山間を抜けると、畑と里山が一望できる見晴らしのいい道路を走るようになり、(獣が多いのか、畑の周りは感電用の電線が張り巡らされていました)、



青土(おおづち)ダムを渡る道路にはこいのぼりがあったり、





紅葉が始まった樹木を見ながら走ったり、



地元の方の応援を受けながら、民家の通りを抜けたり、



田んぼの間を通ったり、



折り返してくるランナーとすれ違ったりします。(女子、男子のウェーブスタートなのと、ハーフとフルが混在して走るので、上位を走っていても、多くのランナーさんと並走する形になります)



青土ダムは、水面は茶色で見た目がイマイチだったのですが、それよりもダメなのは、山の樹林を伐採してしまっている部分。下の写真でわかると思うのですが、低山の自然豊かな緑色の樹林が、工事で見事に刈り取られ、山が崩されています。茶色い渓谷はこれが原因なのかもしれません。
そのため、景勝地や観光地としての価値は皆無に等しいようです。



トンネルは、短いものが1つだけ。そのため、GPSウォッチの誤差はほとんど出ませんでした。ただ、山腹や山裾を走るコースなので、障害物に強いみちびき対応のGPSウォッチがベストかと思います。



茶畑を進み、里山へ入るのですが、この先が、最も傾斜の強い上り坂。心臓がバクバクになり、足が動かなくなります。



これを越えると、茶畑が一望できる下り坂に。霜よけのファンがいたるところに立っています。



この女性ランナーさん、かなり速くて、なかなか抜くことができませんでした。あとで確認したところ、フルマラソン女子一般の部で優勝されていました。



30km以降は、あまりにもキツくて、写真を撮る余裕などまったくなく、川内選手のような苦しい表情をしながら、ひたすら頑張って走るのみ。ふくらはぎが痙攣を起こしだし、攣りそうになるため、足の付根の筋肉で走ることを意識しながら走りました。上り坂でちょっと頑張ると、ふくらはぎに負荷がかかるため、すぐに筋肉がキューっと引きつるのですよね。
時計を見ると、ペースダウンが激しくて、せっかくの前半のタイムの貯金が徐々に相殺されていくため、ヤバイ!最悪!と思ってしまうのですが、どう頑張ってもペースを上げることは出来ず、もがけばもがくほど無駄な力を使ってしまうので、胸を張った腰高前傾フォームと、上半身脱力を意識して走り、何とかゴール。

完走証をもらったところ、首にメダルをかけてもらい、表彰式に出てくださいとのこと。
メダルは直径10cmほどある木製で、完走証には8位と記されていました。
年代別で8位と思ったのですが、なんと一般男子で8位。
この大会、年代別という分類はないらしく、登録と一般、そして女子と男子の分類のみ。そして、入賞は6位以内ではなく、8位以内。タイムは自己ベスト更新にはいたらなかったのですが、非常にラッキーな結果となりました。



表彰式の様子。





女子の表彰式。



賞状と副賞(タオル)。



走行データはこちら。

会場のアナウンスで「BBCのクルーが取材に来ております」と言っていたため、イギリスのBBCが!と思ったのですが、びわ湖放送のBBC。
コース上や、ゴール後のインタビューを撮っていました。



テレビでは11月23日に放送されるそうですが、ローカル局のため私の地方では見ることができません。しかし、YouTubeに公式で公開されるらしく、去年の番組も見ることができます。



このビデオに映っている、登録女子の優勝者さんは、今回も難なく1位をゲット。私よりも速いタイムでした。この番組で見慣れていたため、実際に見るとタレントか著名人に会ったような気分になり、マジマジと見てしまいましたw

この大会、参加者に対して、スタッフの人数、駐車場、トイレ、施設やコースの大きさなどのバランスが良く、ブースもいくつか用意され、無料の豚汁が振る舞われたりと、非常に快適で楽しい大会でした。



坂が多く、しかも後半が上りという非常にタフなルートで、公認コースにも関わらず、好タイムは難しいコースですが、田舎独特の自然に囲まれた見晴らしのいい、空気の綺麗な里山を走るのは気持ちがよく、スタッフや地元の方の応援も温かい。
エイドは、水、スポーツドリンク、スポンジ、バナナが用意され、スペシャルドリンクも用意することができます。
エイド手前で、拡声器を持ったスタッフが、通過するランナーのゼッケン番号をエイドのスタッフに伝え、スペシャルを取り間違いなくスタンバイする仕組みだったようですが、(私は準備しなかったので詳細は不明)、驚いたのは、ゼッケン番号が事前にわかるため、名簿から名前を探し、「○○さん!頑張ってください!」と名前付きで応援してもらえたこと。孤独なランナーとして、トレーニングもレースも単独で行い、仲間からの応援など受けたことがなかった私は、名前を呼んでもらって応援してもらったのはビックリと同時に、ここまでするとはすごい!といった感動すら感じてしまいました。

それと、ゴール後に、完走証とメダルを道路に置いて写真を撮っていたところ、「お撮りしましょうか?」と女性に声をかけてもらい、写真を撮ってもらえたこと。
これも非常にうれしかったです。ありがとうございました。

ちなみに、このコースの攻略法は、坂のおかげで計画的なペース配分はできないので、前半にタイムの貯金を作ることがポイントでしょうか。後半に潰れるほど頑張って貯金するとダメなので、普段のフルのペースよりも、キロ5秒ほど速いペースで前半を終えることと、上りで負担がかからないように、できれば事前に体重を絞っておくこと。
また、今回のように気温も湿度も高い日は、思った以上に脱水してしまうので、給水は必須。私はほとんどのエイドで取りました。また、会場にはスタート2時間に着いたのですが、その間に500mlの自家製スポーツドリンク(粉末のスポドリをかなり薄めに作り、ハチミツと塩を混ぜたもの)をチビチビと飲みつつ完飲しました。それでも、ゴール後は喉が乾いてがぶ飲み状態。水分補給が足りなかったら、30km辺りで脱水気味となり疲労困憊となって歩いていたかと思います。
それと、ハーフのランナーや女子ランナーなど、多くのランナーと並走する区間が多いため、速度差によって自分のペースが惑わされやすいので、時計でペースをマメに確認し、早めに自分のペースに修正することも重要に感じました。

以前書いたように、私は2週連続フルにチャレンジしているのですが、今回がその1本目。難コースなのにセカンドベストのタイムが出せて、しかも入賞のオマケ付きと幸先が良かったのですが、喜んでいるとしっぺ返しが来るだけに、次戦に向けて慎重に調整をしたいところ。故障に繋がりそうな足の痛みは今回はなかったので、疲労を抜きつつ、パフォーマンスを落とさないようにして、次戦も満足の行く結果が残せるように頑張りたいと思います。
そして、あいの土山マラソン、来年も参加します。