2015/02/17

マラソン上達で意識していること

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私がマラソンの上達法として意識してることは、


・他人と比較しない(ライバルは過去の自分のみ)

トレーニングで他人が速く走ろうが長く走ろうが、それに負けじと自分も速く走ったり長く走ったりし、勝った、負けたと一喜一憂するのは的外れ。
人は人、自分は自分だと思います。
他人に左右されることなく、自分の弱点を補強するトレーニングをすべき。
自分が抜くべき相手は過去の自分です。
後ろを振り返ることなく前方だけを見つめ、苦しさに耐えて、最後まで絶対に手を抜くことなく、自分の力をすべて出し切る走り。
そんな走りを実践している選手がいますよね。そう、あの川内選手を真似るのです。
過去の自分という架空の相手を必死で追い付き追い越す。
レースゲームで、薄っすら前方を走っている自己ベストの自分の車が表示されますよね。ポイント練習では、あれをブチ抜くのです。
そういったトレーニングを積むことで、大会で単独走になっても、最後まで全力を発揮できるようになると思います。


・ジョグや休養はポイント練習のためにある

マラソントレーニングの要は、ペース走やインターバル走、ロング走などの高負荷なポイント練習。このポイント練習をおもいっきり頑張れるようにするための準備として、低負荷のジョグや、回復の休養があるため、これを疎かにしてはならないと思います。
調子が乗っている中級レベルのランナーさんは、休養をせずに毎日のように走ったり、疲労抜きとは名ばかりのジョグをして逆に疲労をためてしまい、肝心のポイント練習では力が発揮できないといったパターンが多いです。
休養日にしっかり休んで、ジョグの日に体を慣らし、ポイント練習で激しく攻める。メリハリのあるメニューを組むことが大切だと思います。


・短い距離を速く走ることに価値はない

マラソンの場合は、長い距離を速く走る能力が問われるだけなので、短い距離を速く走れる能力は不要。
1kmを3分で走れた!といったことに価値はなく、10kmや20kmを4分ペースで走れることの方が大切で、そのためのトレーニングを行うべき。
インターバル走でも、スプリント区間をおもいっきり速く走るのではなく、5本、あるいは10本を、ハードに攻めながらも同じタイムですべて揃えることができるか?インターバル区間で休み過ぎないか?といった部分が重要。
持久力を競い合うのがマラソンというスポーツ。そのマラソンに効果的なトレーニングは何なのかを知り、不必要なトレーニングや価値観は一切なくすことが上達の近道かと思います。


・月間走行距離を目標にしない

自己ベスト更新だけでなく、月間走行距離も目標にしてしまうと、走行距離が無駄に多く稼げるLSDや、毎日でも行える低負荷なジョグを休みなく繰り返すようになり、レベルの向上が滞るばかりか、2度と戻らない貴重なトレーニング時間は消えてなくなり、得られたのは偏った自己満足と、進んでしまった老化のみとなります。
マラソンタイムが低いのに、月間走行距離が異常に多いということは、上達はできないけれど、暇と元気を持て余していましたと言っているに等しく、立派どころか恥ずべき内容。成績は悪いのに勉強時間が長い、あるいは、生産能力が低いのに勤務時間が長いと言っているに等しいです。
トレーニングでしっかり走り込めば走行距離は増えますが、大切なのは量より質。月間走行距離を気にしたり、目標にしたりしてしまうのは、上達の足を引っ張るだけかと思います。


・モチベーションの維持

マラソン1年生の時は、走れば走るほど面白いように上達するためやる気が出るし、マラソン2年生の時は、大会に出て苦しさや楽しさを味わいつつ、次も頑張るぞ!とやる気が出るのですが、マラソン3年生あたりになると、目標タイムの大きな壁が立ちはだかり、なかなか上達できなくなり、トレーニングもマンネリ化し、面白さとやる気が減少し始め、ウルトラやトレランでもしてみる?となったりするのですが、それでもマラソンを続けるためには、何らかの方法でモチベーションを高める必要があります。その方法としては、

トレーニング日誌やマラソン大会日誌を書いて振り返る
シューズや衣類などを新たに買う
ランナーの多い公園やトラックを利用する
トレーニングに励んでいる上級者やエリートランナーをチェックする
出場大会を増やす
Twitterなど、ソーシャルネットワークの利用
マラソン大会や、陸上競技会の見学、応援
自室にランニングシューズを飾ったり、完走証や賞状を貼る
レースのTV録画や、レース、トレーニングのYouTubeを見る
クラブに加入する
マラソン関係の雑誌や書籍を読む

など、いろいろありますが、最も効果的なのは、大会に出て自己ベストを更新したり、目標のタイムでゴールすることですね。この時の満足感と達成感と喜びは、計り知れないものがあり、やる気が一気に高まります。あるいは逆に、失敗レースをしたため、今度こそは挽回を!といった気持ちも、モチベーションアップにつながります。
つまり、出場大会数を増やすことが一番効果的だと思います。

シーズン中は最低でも月に1度。できれば2回。フルだけでなく、ハーフや10kmなどの大会に出て、同レベルのランナーさんと競い合いながら切磋琢磨する。
レースで後半失速したのなら、次のレースではそれを修正できるような走りに徹してみる。
そして、大会の写真を撮ったり、レポートや日記を書いたりして、そのときの状況と、楽しさや苦しさ、嬉しさや悔しさなどの気持ちをしっかり記録しておけば、やる気が落ちてきた時に、その記録を振り返ることで、あの時の気持を呼び戻すことができ、やる気が復活することかと思います。
川内選手ほどのレース量はさすがに厳しいですが、トレーニングの一環としてレースを利用するというのは効果的で、レースは究極のポイント練習となります。

また、多くの大会に出れば、小規模なローカル大会の出走者も増え、マラソン大会の増加や活性化、質の向上につながり、参加しやすい環境がさらに整えられて行きます。
ランニングブームで、マラソン大会の参加者は飽和状態となっているのですが、それは大規模なメジャー大会だけの話で、小規模なローカル大会は継続できていない場合が多いのですよね。
こちらのページで各地のマラソン大会の開催日が書かれているのですが、去年で終了や、一昨年以降開催されないといった大会も結構多いです。

マラソン大会の検索 - ランナーズバイブル


また、いろいろと問題点の多かった大会でも、主催者の努力により翌年は改善されている場合があるので、ブログやランネットでの大会レポートだけで判断せず、ものは試しに参加してみるという行為も、大会の質の向上と継続化の意味に置いて重要かと思います。


・故障対策

現在長期故障中の私にとって、この点は非常に重要で、これから先もしっかり意識すべきことと感じています。
足底や足首、アキレス腱、スネ、膝、股関節などのランニングによる故障の場合、その原因はすべて自分にあるわけで、主な要因は、故障箇所に負担がかかる走り方をしているからなんですね。それを保護するほどの筋力や柔軟性、力の分散力が足りないということになります。
骨格の歪みが原因で、偏ったフォームでしか走れない場合でも、それをかばうことができる筋力や、腱の柔軟性があれば対処できるはずで、妙なフォームで走るオリンピック選手でも好タイムでゴールできるのは、その証拠となります。

骨格や体型などが原因の場合、対称的でバランスがいいフォームに改善するのはほぼ不可能なため、その状態で走り続ければ、故障の確率は高まります。そのため、筋トレで補うしかありません。
ものは試しに、1週間ランニングを行わずに、スクワットやランジ、カーフレイズ、ヒップリフト、腹筋などの補強運動を、強度は高めにして行ってみてください。その筋肉痛が治りかけた3日後に、再びハードな補強を繰り返します。かなりハードに。
その筋肉痛が取れた頃に、ランニングを再開してください。めちゃくちゃフォームが安定します。ハイペースでも楽に走れるようになります。こんなに違うものかと驚くほど。フォームの矯正のトレーニングなどしていないのに、弱い部分の筋肉が強化され、バランス良く走れるのですね。

そして、前傾フォームや体のブレの抑制に使われる腹筋、背筋、体幹は、ランニングを繰り返すだけでは現状維持ができる程度で、ほとんど鍛えられないのですが、筋トレで必要以上に鍛えることで、筋力の余裕度が高まるため、型にはまったような綺麗なフォームの維持が、いとも簡単に持続できるようになります。
また、着地で使われる筋肉は、大腿四頭筋がメインで、フォアフットランナーはふくらはぎにも負担がかかりますが、これが弱っていると他の筋肉や腱、関節などの弱い部分で耐えるしかなく、足底や膝、シンスプリントなどの故障を誘発します。これを予防するには、大腿四頭筋やふくらはぎを鍛えることが必要。これをランニングで鍛えようとすれば、強化する前に故障となってしまうため、事前に筋トレで鍛えておく必要があるのですね。
バランスが悪いランナーほど、補強トレーニングは人並み以上に行う必要があるようです。

今回、故障して長期間走れなくなったのですが、そのおかげで、この補強効果を知ることができました。故障しやすい人ほど、補強運動は定期的に行う必要があると思います。
トレーニング前後のアップとダウンジョグ、トレーニング後のストレッチなども故障対策として重要だし、回復目的のジョグの場合は、アスファルトを避けて、出来る限り草地や砂地を走るといったことも重要ですが、故障対策には、補強運動が最も重要に感じました。


・日々勉強

マラソンのトレーニング方法は、ほとんど確立されていますが、人それぞれ走力が違うし、体格や性格も違えば、トレーニングに使える時間も違うため、細かな部分は自分のレベルや環境に合わせながら、試行錯誤しつつ取り組んでいく必要があります。
また、加齢によるパフォーマンスダウンがあります。おじさん、おばさんランナーは、この影響が非常に大きい。そのため、中年ランナーが目標を達成するには、出来るだけ早い期間で出来るだけ若いうちに、レベルを向上させる必要があります。そのためには、偏った価値観や、誤ったトレーニング方法をなくし、効率のよいトレーニングに徹する必要があります。

人一倍たくさんトレーニングをしなければ上達できない、月に400kmや500kmもトレーニングをしているのにサブスリーすら達成できないようでは、トレーニングの質が悪いということになり、このままのトレーニング方法では、更に上を目指すことが物理的に難しくなるだけでなく、マラソンという趣味を末永く継続させることも難しくなるかと思います。
川内選手のトレーニング量は月に600kmほどとのこと。これでサブテンを何度もクリアしているのですよね。必要最小限のトレーニングのおかげか、故障もほとんどありません。実業団の選手は1000kmも走っているようですが、そんなにたくさんトレーニングを行っても、走力レベルは川内選手と同じか、それ以下。しかも、肝心のレースでDNSしてしまう選手が多いです。
馬鹿みたいにたくさん走っても強くはならないことを、市民ランナーの川内選手が証明してくれています。量より質。川内選手はその質を高めるために、レースをトレーニングの一環と位置付けて、個人でのトレーニングでは得られない追い込んだ走りを、レースを利用して実践しているのですね。

自分のトレーニング方法を改善するには、経験者の意見や、成功や失敗談、著名なコーチの方法論、複数のマラソン関係の書籍や雑誌などから情報を得て、どうすれば少ないトレーニング量で速く走れるようになるかを、実践を繰り返しながら日々勉強することが大切。
そして、日々勉強という行為そのものを楽しめるようになることが、最も大切だと感じています。

「若い時に、このやる気を趣味や勉強、仕事に使えたら、もっと良い結果が得られたのに」と中年世代は後悔したくなりますが、自分が70や80歳になったとき、「まだまだ元気に走れたあのときに、もっと頑張れば良かった」と後悔するかもしれません。その"あのとき"が、今なんですよね。
どうせやるなら「あのときはよく頑張った!」と、自画自賛できるレベルまで達しておきたいですよね。