2015/09/01

適切なトレーニングペース

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マラソンの目標タイムをクリアするには、そのタイムに見合った強度でのポイント練習を定期的に繰り返さないと達成できません。
そして、そのポイント練習を成功させるために、準備や回復につながるジョグや補強、休養を、ポイント練習の間に程よく組み入れ、自分の走力レベルに見合った月間走行距離にまとめるようにすると、無駄なく効率的なメニューになるようです。

マラソンタイムの目標に対する月間走行距離に、決まった数値はありませんが、少ないトレーニング量なのに、持ちタイムが速いランナーは、トレーニングの効率が良い優秀なランナーということになり、大したタイムでないのにビックリするほど多くの距離を走っているランナーは、トレーニングに無駄があり、時間とエネルギーを浪費しているばかりとなるので、トレーニング距離が少ないのに上達が速いランナーさんのトレーニングメニューを参考にするといいようです。そういったランナーさんは、強度の高いポイント練習と、定期的な休養、適度な量のジョグという、メリハリのあるメニューを組んでおり、伸び悩んでいるランナーさんは、毎日似たようなペースと距離のランニングをひたすら繰り返したり、スタミナ、またはスピード系の、どちらか得意な方のメニューに偏っていたり、疲労や足の痛みがあるのにも関わらず、何が何でもジョグをしたりなど、何が目的なのかよくわからない、癖のあるメニューになっているようです。

レベルアップを目指して効率良くトレーニングをする場合、"自分のレベルに見合った適切な負荷"という部分がポイントになります。
現在のマラソンタイムや目標タイムから、各トレーニングのペースを算出する方法があるのですが、マラソン大会は一般的に冬がメイン。しかし、トレーニングは夏や秋に行うため、そのときの気温や湿度に大きく影響されます。
気温や湿度が低くて走りやすい時期のマラソンタイムからトレーニングペースを算出した場合、まだ蒸し暑い時期にそのペースでトレーニングするのは非常に厳しく、まともにこなすことができず、ペースが上がらない自分に自信喪失してしまいます。
しかし、トレーニング日の気温や湿度を計算式に加算し、その日のベストなトレーニングペースを割り出すアプリがあります。

iOS用

Android用
VDOT Running Calculator

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目標のマラソンタイムを入力し、「Calculate」をタップするとペースが求められ、下の「Training」で各メニューの設定ペースが、「Equivalent」で各距離のレースタイムが表示されます。



そして「Advanced」をタップしてその日の気温、または湿度を入力し、再び「Calculate」をタップすると、その条件下での設定ペースが表示されます。標高差での算出もできます。





各トレーニングメニューは英語で説明されていますが、「Easy」はジョグやロング走、「Threshold」はペース(LT)走、「Interval」は1000mやヤッソ800でのインターバル走と割り当てればいいのではないでしょうか。レペティションというメニューは、マラソンよりも中距離種目向けのメニューなので、割愛していいかと思います。

目標タイムをフルマラソンで3時間15分とした場合、湿度を90%という条件の数値と、70%という条件の数値を入力して比較すると、設定ペースが大幅に変わります。こんなに大きな差があるのですね。



各距離のレースを走った場合も、気温と湿度の影響でこのような差が出ます。マラソンでは10分近くもの差。



実際に真夏に走ると、暑さに耐えるのが精一杯で、理想のペースで走れなくなり、距離が伸びるごとにペースが維持できなくなりますが、このアプリで算出したペースで走れば、途中で挫折することなく走り切ることができ、タイムはイマイチなものの、気温や湿度に見合った強度でトレーニングできたことがわかるので安心できます。
無理なペースでポイント練習をして、途中でペースがガタ落ちしたり、走りをやめてしまったりするというトレーニングが一番まずいのですよね。
インターバル走でも、10本のはずが7本でギブアップしたり、5~7本目のタイムがガタ落ちしたりということは結構あるはず。
ペース走でも、途中でペース維持ができなくなり、ビルドダウン走になったり、5㎞で挫折という経験もあるのではないかと思います。

強い負荷を繰り返すことで、無酸素性作業閾値や最大酸素摂取量の身体能力レベルを上げるのがマラソントレーニングの核心。そしてレースでは、ペースが落ちることなくギリギリで頑張れるペースを維持するコントロール能力も必要です。トレーニングで挫折してしまっているようでは、レースでも挫折する可能性が高まってしまいます。
そんな挫折トレーニングをなくすためには、自分のレベルとトレーニング環境に合わせた、適切な強度で取り組むことが大切なんですね。

これを書いている8月下旬は、まだ残暑が続く時期で、レベルの向上がトレーニングに現れにくく、今季の大会は現状維持も無理なんじゃないかな。。。と自信をなくす頃だと思うのですが、こういったアプリを利用してトレーニングをすれば、無理なく着実にレベルアップでき、自信をなくすようなことはなくなるかと思います。
ここ最近の私のポイント練習も、トレーニング日の気温や湿度に見合ったペースはなんとかクリアできています。
このアプリはスマホで簡単に算出できるので、トレーニング直前にチェックし、その日のトレーニングペースを決めるといいようです。
気温や湿度の確認は、その場で温湿計で測るといいのですが、大まかな数値なら、1時間毎の天気と気温と湿度が表示される、Yahoo天気のアプリが利用できます。

iOS用

Android用



気温や湿度は、季節や天候だけでなく、時間によっても大きく変わり、ペースに影響するので、(特にインターバル走などは、わずか数秒の違いで強度が大きく変わります)、トレーニング直前の確認がオススメです。