2013/02/03

ネガティブスプリット

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マラソンのレースで、前半元気なうちにタイムを貯金して、後半の落ち込みに備える走法を「ポジティブスプリット」と呼び、前半とにかく抑えて、後半ペースを上げる走法を「ネガティブスプリット」と呼ぶのだそうです。そして、タイムが縮みやすいのは「ネガティブスプリット」の方で、アスリートランナーの上位陣の大半はネガティブスプリットで好結果を残しているそうです。その詳細が、この本に書かれていました。



マラソンは「ネガティブスプリット」で30分速くなる! (ソフトバンク新書)

リンク先のAmazonの「なか見!検索」機能から目次などが見られるので、どういった本なのかわかるかと思うのですが、ネガティブスプリットの利点と、そのトレーニング方法が具体的に書かれており、とても参考になる内容でした。

苦しいけど何とか走り続けられるペースをLTペースと呼ばれていて、自分のLTペースを調べる方法は、採血をして乳酸の濃度を測定する必要があるそうですが、それ以外に簡単に求められる方法が2つあり、1つはフルマラソンのペースをLTペースとするものと、もう1つは心拍数からペースを決める方法があるそうです。フルマラソンを走ったことがない場合は、ハーフマラソンのタイムから求めることができ、

ハーフのタイム×持久系数=フルのタイム

持久系数というのは、ハーフが1時間半未満の場合が2.1、1時間半以上の場合は2.2という数値になります。ハーフのタイムに、この係数をかけたタイムが、フルマラソンの予想タイムとなるので、その時間を42.2で割れば、1kmあたりのペースタイムが出ます。
心拍数からの場合は、

1.フラットなコースを選ぶ
2.しんどいと感じる手前(ぎりぎりラク)のペースまで上げる
3.そのペースで40分走り通せたら、それがあなたのLTペース

走っている途中で心拍数が上がり始めたら、それはLTペースを超えたオーバーペースとのこと。これには、走りながら心拍数を測定する機器が必要になります。私はiPhoneに心拍数のデータをBluetooth経由で飛ばせるこの機器を使っています。iPhoneアプリのRunmeter GPSを使えば、走っている最中に心拍数をアナウンスしてくれるので便利です。


LTペースがわかったら、レースでは、30kmまではLTペースをやや下回るペースで走り続け体力を温存し(その日の体調により左右されるので、タイムよりも心拍数を参考にするとよい)、30km以降でペースを上げる。その距離になると、ポジティブスプリットで走っていたランナーがペースダウンするので、次々に追い抜けるそうです。
私は後半失速タイプのポジティブスプリットなので、この本を参考にネガティブスプリットランナーに変更していこうと思っています。そのネガティブスプリットのためのトレーニング方法も紹介されていて、4つのトレーニングメニューがあります。

・ジョギング
・ビルドアップ&ダウン走
・インターバル走
・スプリントインターバルトレーニング(SIT)

ジョギングは、ゆっくりしたペースで90分ほど走る。少しペースを上げてLTペースに近いレベルで走るときは、60分までに留める。ジョグの目的は走力向上の土台作りと、アクティブレストが目的。

ビルドアップ&ダウン走は、LTペースを挟んだ強度のトレーニングで、
4km→4km→4kmの計12km、または、5km→5km→5kmの計15kmに3分割し、
ビルドアップが、(LTペース+15秒)→(LTペース)→(LTペース-15秒)
ペースダウンが、(LTペース-15秒)→(LTペース)→(LTペース+15秒)
実践想定が、(LTペース)→(LTペース-15秒)→(LTペース)
のペース配分に切り替えて走るそうです。

インターバル走は、1kmの距離をLTペースよりも30秒速く走ります。1kmを走り終えたら、走ったその時間と同じ時間分、ゆったりペースでジョグをするか、立ち止まって休む。これを5~8本ほど繰り返します。LTペースが5分/kmなら、4分30秒で1kmを走り、4分30秒間休む。これを繰り返すパターン。

スプリントインターバルは、坂道を30秒間全力ダッシュ。そして4分間休憩。これを4~7本繰り返す。このトレーニングは短時間で終わるメリットがあり、正味10分ほどで、40~60分間のLTレベルでのトレーニングと同等の最大酸素摂取量の向上があるとのことだそうです。

他にもこの本には、自転車でのトレーニングや、走法、補強運動、栄養の摂り方、レースでの実践方法などが詳しく書かれています。この著者の前著も読んだことがあるのですが、


毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる! 月間たった80㎞で2時間46分! 超効率的トレーニング法 (ソフトバンク新書)

距離を多く走る距離信仰のトレーニング方に異議を唱え、自転車によるトレーニング方法を紹介してあり、とても参考になりました。今回の本も実践的な内容のため、早速取り入れてトレーニングしてみようと思います。