私はいつも夜にランニングをしているのですが、泣きたくなるような異常な猛暑が続くため、夜ランから気温の低い朝ランへ変更してみました。朝ランと言っても、まだ暗い4時半~5時頃にスタートする早朝ラン。日が昇って陽射しが強くなると暑いので、6時半までには終了させます。早朝は一日のうちで最も気温が低くく、朝の強い日差しを避けられるのですが、朝ランの特徴を挙げると、
・頑張り過ぎると仕事に支障をきたす恐れがある。特に昼からの睡魔がすごい。
・起き抜けで身体に負担がかかりやすいため、十分なウォーミングアップをしないとハードなポイント練習ができない。
・生活パターンを変えて早寝をする必要がある。(4時起きで7時間眠るのなら21時に就寝)
・空腹で気力やパワーが出ないため、バナナなどを食べて血糖値を上げておく必要がある。
(ランニング前の栄養補給に関しては、こちらのページが参考になります)
・睡眠後で水分も不足しているため、事前にしっかり給水しないと走っている最中に喉が乾く。
・出勤までの制限時間があるので、時間内で収まるトレーニングメニューが必要。
・朝は風がなく湿度が高い日が多いので、気温が低い割りには結構暑い。
といった点に対処する必要があります。特に問題なのは最後に書いた湿度。
一日のうちで最も気温が低いのは、日の出前の4時頃なのですが、一日のうちで最も湿度が高いのも4時頃なんですね。私が走った朝ランでは、湿度が80%前後は当たり前で、ひどいと96%というときもありました。遠景が湿気でぼやける朝もやのような状態。気温は25~28℃で、走る前は暑さをさほど感じないのですが、走りだすと一気に汗だくになってしまいます。
運動をすると体温が上昇するので、平熱に下げるために身体から汗が出て、その汗が乾く気化熱を利用して体温を下げるのですが、湿度が異常に高いと、汗の蒸発がほとんどなくなるため、水でもかぶらないことには体温を下げられなくなってしまいます。恒温動物の人間は、体温が下がらないと危険なため、これ以上運動をするなという司令が脳から出て、疲労を感じさせ動きを止めようとしてしまいます。そのため、運動時で影響を受けやすいのは温度よりも湿度の方が重要なんですね。発汗に関しては、こちらのページが参考になります。
過酷なレースとして有名な、砂漠を走るサハラマラソンがありますが、気温が35℃~40℃もあるのにもかかわらず完走者が多いのは湿度が30%前後のため。世界陸上がモスクワで行われていますが(執筆時点)、マラソンのレース時は気温が30℃を超えているものの湿度は33%だったため、リタイヤする人は僅かでした。もし湿度が80%あったとしたら、まともに走れないどころか、熱中症でバタバタと倒れることかと思います。湿度が低く、走って風を浴びていれば、汗はどんどん蒸発するため、気化熱が奪われて体温が下がります。汗をかくための水分補給と、汗で失われるミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)を補給し続ければ、体温を上昇させることなく走り続けられます。
この湿度の影響があるのが朝ランと夜ラン。朝と夜を比べた場合、その日の天候にもよりますが、朝よりも夜のほうが湿度が低くいため、夜のほうが気温が高くても、体感的な暑さは朝も夜もさほど変わらないのが実情でした。理想なのは18時頃の夕方。この時間帯は風が吹く日が多いので、風力の強い扇風機にあたりながら走っているような状態。一日のうちで湿度も低く、日が暮れて陽射しが弱まり涼しさも増します。昼に熱せられた路面の熱でむわ~っとするのですが、河の堤防や木陰の多い公園を走ればかなり快適に走れるため、猛暑の時期はこの時間帯のランニングがベストでした。ただ、この時間帯は、休日でないと走れないのが残念。
朝ランと夜ラン。どちらも一長一短があり、勤務時間や生活パターンでどちらかに制限されたりもしますが、朝ラン派は夜ランを、夜ラン派は朝ランを一時的に試してみて、どちらにどんな効果があるのか?長所と短所を天秤にかけると、どちらの方が自分に向いているのか?それをあらためて確認する意味においても、試す価値はあると思います。
私の場合は、朝ランを始めたものの、夜ランに戻す予定です。戻す理由は、夜は時間制限がなく、走り終えればシャワー、食事、睡眠でしっかり休めるため、ハードなトレーニングも安心してできることと、早朝の起き抜けの状態とくらべて、夜は身体に負担が少ないからです。また、夜の走行が安全な公園や堤防のルートが近場にある点も理由の一つです。しかし、朝は湿度が高いものの、気温は低く無風の日がほとんどのため、ランニングでなくバイク(自転車)を乗るようにする予定です。
ところで、猛暑のこの時期のランニングでは、給水が重要になってくるので、水道のある公園を通るルートを走るか、ボトルを持参する必要があるのですが、私が使っているボトルポーチはこれ。
薄いベルトとバックルで取り付けるタイプではなく、柔らかなベルトをベルクロテープで止めるタイプなので、強く締めても腰が痛くないのと、ボトルはペットボトルの500mlだけでなく、1リットルのスクイズボトルも入ってしまいます。ファスナー付きのポケットはiPhoneが収まる大きさで、内部はコインポケットやキーフック、そしてキャンディーなどを入れるのに便利なネットのポケットがあります。
そして、真夏のランニングにオススメの衣類は、Tシャツでもランシャツでもなく、身体にピッタリフィットするストレッチ性のあるコンプレッションシャツとパンツ。着たときは暑く感じるのですが、身体にピッタリひっついているので、汗が出て気化熱が奪われるときの涼しさは、裸と変わらぬレベル。風を感じるのも敏感で、汗をかいて風を浴びるランニングや自転車での着用には抜群です。これを風のないジムで着ると意外と暑いのですよね。
それと、猛暑の時期は無理に走らず、クロストレーニングをメインで行うのもオススメ。ジムやプールもいいのですが、自転車が効果大です。風力の強い風を浴び続けるので、汗が出てもどんどん乾き、猛暑の日でも苦もなく走れます。これを無風多湿低温の早朝に行ってみたのですが、涼しくて超快適でした。汗の乾きが早いので、汗をかいた感じがしないのですが、しっかり水分は出ているので、意識的に水を飲んだほうがいいようです。
自転車は夜は危険度が増しますが、明るくなりだした早朝は交通量も少なく自転車にはベストな時間帯。朝はライド、夜はラン。このパターンで進めていく予定です。
ちなみに、バイクの走行記録はRunmeterよりもruntastic Road Bike Proが便利。表示が見やすいため、ハンドルにiPhoneを取り付ければメーター代わりに使えるし、iPhone 5ならハートレートモニターも利用できます。runtasticは走行したルートを高度や速度で色分けする機能があるため、どの辺りが高負荷だったのかが一目瞭然。runtasticのウェブ上ではデータをインポートする機能が備わっているので、RunmeterのデータをGPX形式で自分宛にメールで添付送信して利用すれば、Runmeterの記録もruntasticで表示させることが可能です。