2014/03/27

レベルアップのためのマラソントレーニング

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以前、”レベルアップのための、やってはいけないランニング”というものを書いたのですが、今回は、やったほうがいい効果絶大のマラソントレーニングを書いてみます。
多くの市民ランナーが目標としている、サブ3を目指した内容としていますが、目標タイムが3時間15分なら、下記のペースタイムからマイナス20秒、3時間30分なら40秒ほどを差し引くといいかもしれません。
完走やサブ4が目標の場合は、スピードトレーニングは不要で、時間がかかっても途中で休憩してもいいから、ロング走をこなすことがもっとも効果的かと思います。

事前に準備するものとして、距離やペースタイムを知るために、スマホかGPSウォッチは必須。そして、自分の走力レベルや負荷を数値に表してくれる心拍計も必要です。心拍数は、自分のレベルが上がれば上がるほど、ペースに対しての心拍数が小さくなります。安静時の心拍数も下がります。私は現在38~41bpmで、スポーツ心臓の領域です。

スポーツ心臓
心臓は筋肉でできているため、連続的なストレスに対しては筋線維を増強することで対応しようとする。おおむね1日1時間を越える心肺系運動を毎日続けた場合、心拍出量は増加し、心室内腔は拡大し、壁肥厚や筋の増大が見られる。そのため拍出効率が改善し、35〜50回/分といった低い心拍数で事足りる。
Wikipediaより。

そのため、血流は良くなり、鍛えられた心臓は効率よく働くため、心臓や血液に関する病気の予防にもなりそうです。

シューズは軽量でソールが薄いレースタイプと、保護力が高く重たいジョグタイプの2種類を用意。オススメは、アシックスの場合はターサージールとGT-2000NY。GT-2000はいつものサイズよりもハーフかワンサイズ小さいものを選択するとジャストフィットすると思います。
また、GT-2000に使われているインソールはスポンジタイプが使われているので、このソールをジールに使われているインソールと入れ替えることで、ジールをクッションのいいトレーニングタイプとして使うこともできます。GT-2000のインソールと同じ素材のソールは単品でも売られています。


レースタイプのシューズはスピードトレーニングに、ジョグタイプは回復走や低速ロング走に使います。レースタイプを使う理由は、足に負担の少ない(着地衝撃の少ない)走法の実践トレーニングをするため。ジョグ用は、硬い路面から足を守ることで、足の痛みの回復を促したり、故障の予防するために使います。

トレーニングメニューは5種類。そのうち、ランニングメニューはたったの3種類のみ。あとは補強メニューと休息です。休息もトレーニングの一貫として重要です。



・ロング走(25~35km)

このメニューの効果は絶大です。間違いなく走力が上がります。LSDやマラニックではなく、ある程度の負荷をかけ続けることが重要。途中で休まないようにします。
ロング走は2種類に分けます。

低負荷ロングはキロ5分30秒前後のペース
高負荷ロングはキロ4分30秒以内のペース

低負荷ロングのポイントは、心拍数を上げない楽チンな走法を意識すること。フォームをコンパクトにしたり、ストライドやピッチを変えたり、手の振りを川内選手のように腰あたりまで下げて脱力したり、呼吸のリズムを長めにしたりしながら、出来る限り心拍数が上がらない楽な走りを続けます。

高負荷ロングのポイントは、ペースを絶対下げないこと。ラストの2kmは全力でもかまいません。25kmを超えたあたりで心拍数がぐんぐん上昇し苦しくなってくるのですが、頑張って走り続けます。サブ3のレースペースを思えば、この4分30秒程度のペースは余裕で走れないといけないため、トレーニング段階で後半の苦しさをしっかり体験して克服しておく必要があります。

ロング走の頻度は、走り込み期は月に2~3回、それ以外は月1~2回。レース期は、レース本番の2週間前までには終わらせます。
ロング走を行うと、長い距離に対する抵抗感がなくなり、10~20km程度のランニングがすごく楽に感じるようになります。また、ロング走を繰り返すことで、マラソンに向いた体型や体質に変わってくることを実感できます。
ロング走の距離はもっと長く走ってもいいのかもしれませんが、足の痛みが発症したり、疲労がなかなか抜けなくなってしまい、仕事や私生活に悪影響が出たため、私の場合は長くても35kmまでにしています。



・AT走

AT(無酸素性作業閾値)でのペース走を10~15km。LTやATの意味や算出法はググってください。
※初回投稿時、ATとLTの意味を履き違えていたので修正しましたm(__)m

ATは一般的に、15km~ハーフのベストタイムのペースと同等の負荷になるらしいです。仮にハーフのタイムが1時間25分ならキロ4分2秒ほどのペース。このペースを維持しながら10~15kmを走ります。めちゃくちゃキツイです。平均心拍数は私の場合160bpm(キロ3分55秒ペース)くらい。
このトレーニングにより、高い心拍数で走り続ける心肺能力と、身体を速く力強く前進させる脚力を養うことができるため、ハーフのタイムが縮まるのはもちろんのこと、フルのレースペースがすごく楽に感じるようになります。

1kmをダッシュし、200mのジョグを繰り返すインターバルトレーニングがありますが、このトレーニングを行うと、1kmを無駄に速く走ってしまい、それで苦しい分、レストの200mをおもいっきりダラダラ走ってしまう場合が多いです。あのトレーニングは、200mのジョグでさほど心拍数が下がらないうちに、次の1kmダッシュを行うことで、高い負荷をかけることがポイントなのですが、これがなかなかできないのですよね。トラックを使い、コーチやマネージャーにタイムを計測してもらいながら、インターバルトレーニングを繰り返すのなら頑張れるのかもしれませんが、一人でこのトレーニングを行うと、甘えて楽をしたり、後半に手を抜いたりしてしまうようです。

そんな内容になってしまうのなら、10kmAT走を行った方が集中できて効果的。途中で休むことがないからリズムが狂わないし、ペースを確認することでパワーをその都度調整できるし、後半になれば、あと3km!あと1km!と思いながら、がむしゃらに頑張って追い込めます。
決まった距離を集中して走り、1度で終わらせる方が精神的に楽だし、集中できる分、力が出しやすいのですよね。
そのため私はインターバル走はほとんど行わず、AT走を重視しています。このメニューをこなしたおかげで、ハーフのタイムは80分を切れたし、フルのレースペースでの前半の余裕度が高まりました。

また、ATペースよりも低いペースで走るペース走(フルのレースペースか、それより10秒遅れくらい)や、徐々にペースを上げていくビルドアップ走(5分→4分)も効果的でした。
AT走を重視し、それの予備的な役割で(LT走まで追い込むほど調子が上がらない時)、ペース走とビルドアップ走を併用するといいようです。



・ジョグ

補助的なメニューに感じますが結構重要。軽く走ることで、足や身体の調子を確認できるし、血行が促進するおかげで疲労や痛みの回復も早まります。そして、ジョグは苦しいポイント練習とは違って、走ることがすごく楽で気持ちいいので、ランニングそのものが好きになります。
音楽を聴いたり、途中で写真を撮ったり、違ったコースを走ったりなどを行うと、ランニングが更に楽しく充実します。
ペースは5分~6分くらい。スピードではなく、心拍数を目安にしており、私の場合は125bpm以下程度の負荷で行っています。

また、継続してランニングを行えば、日々のカロリー消費が大きいため、体重と体脂肪が落ち、食事制限のような苦労をせずにスリムな身体を維持できます。
ジョグでの肉体的な疲労により、熟睡ができて目覚めはいいし、食事は美味しいし、通じも順調。仕事などで精神的な疲労が溜まると、脳内の疲れなのでなかなか抜けないのですが、肉体的な疲労があれば熟睡できるので、脳も休めて朝はスッキリするようです。
走力アップのためのハードなトレーニングの息抜きや、ストレス発散、健康維持、ランニングのモチベーションアップとして、ジョグは非常に重要です。



・休息日

ポイント練習での疲労や、痛めた筋肉の回復には休息が必要。筋トレの超回復という行程がありますが、あれと同じ目的です。超回復に関しては、こちらのページがわかりやすくて参考になるかと思います。

超回復と休息:CramerJapan


休息日を必要とせず毎日走れるのであれば、ポイント練習の負荷が小さすぎる証拠。低負荷なランニングを繰り返しても健康維持ができるだけで、マラソンのレベルアップはできません。メニューパターンは例として、

(月)休息
(火)ジョグ
(水)ポイント練習
(木)ジョグ
(金)ジョグ
(土)ポイント練習
(日)ポイント練習

または、
(月)休息
(火)ジョグ
(水)ポイント練習
(木)ジョグ
(金)休息
(土)ジョグ
(日)ポイント練習

天候や私用などにより、パターンは狂いますが、大体こんな感じで進めるとスムーズに走れます。
ポイントは、ポイント練習の前日に休息日は設けないようにします。休息したため翌日は元気に走れるので、休息日の翌日はポイント練習をした方がいいような気がするのですが、実際に走ってみると、身体が重く感じたり、足の痛みが残っていたり、気力が欠けていたりなど、調子がイマイチな場合が多いのですよね。
そのため、休息日の翌日は、体調や足の状態をチェックしながら軽めのジョグを行い、次回のポイント練習での課題や注意点などを考えながら走りつつ、更にエネルギーを貯めておき、この翌日にポイント練習を行うとガンガン走れるようです。



・筋トレとストレッチ

補強トレーニングとして、週に1~2回行うようにすると効果的です。雨で走れない日も好都合。
筋トレは、ボディービルダーのようなマッチョな筋肉を作ると、マラソンには不向きとなってしまうので、主に体幹を鍛えるようにします。
ジムへ行けば専用のマシンがあるため、目的の筋肉を集中的に鍛えられるのですが、会員制のジムは高いし、安価な市営のジムでも行くのが億劫になるので、ダンベルを買って自宅で行うといいようです。
また、体幹を鍛える場合は、すべて自重で行えるので道具は不要です。私が行っている体幹トレーニングは、この本のメニューに従っています。


体幹トレーニングに関する本は、結構たくさん出ているし、ネットで検索しても見つかると思うので、それを参考にして定期的に鍛えると、ランニングフォームが安定し楽に走れます。
特に、トレーニングでの筋肉痛が収まった2~3日後あたりのランニングはかなり楽に走れるため、この日をポイント練習にすると効果的です。
それと、スクワットとランジ、カーフレイズも定期的に行うと走力が上がるようです。

ストレッチは、私の場合はふくらはぎがパンパンになるのと、腰痛持ちなので、その周辺をマッサージするかのように、入念にストレッチさせています。
それと私はフォアフットで足底を痛めやすいので、ゴルフボールを足裏でコロコロ転がすマッサージも行っています。



マラソンのトレーニングには、他にも、坂道トレーニングや、ヤッソ800、レペティション、峠走、クロカン、トレラン、変化走、自転車や水泳などのクロストレーニングなどたくさんあり、いろいろ試したことはあるのですが、私の場合は結局、上記のメニューをこなすだけで十分だったようです。ただ、足を痛めた時の運動には、足に衝撃がない自転車が抜群でした。
これらのメニューを繰り返すことで、目標を達成し結果を残すことができました。逆に、これらのメニューのどれか1つが欠けるとダメで、月間走行距離を目標にしてしまいロング走ばかりするとか、速いタイムを追い求めてインターバル走を繰り返すようなことはぜず、上記のメニューを偏ることなく繰り返し、少しずつレベルを上げていくやり方が効果的でした。

これから気温が上昇してくると、暑さのおかげで、思った以上にレベルが上がらなくなるのですが、それでもめげずに夏場もしっかりトレーニングを繰り返すことで、秋以降のレースでPB更新の嵐が訪れ、念願の目標を達成できることかと思います。そのために、いかにモチベーションを上げるかがポイント。
シューズや衣類を新調したり、トレーニング日誌を書いたり読み返したり、トレーニング目的で近場の大会に出場してみたり、トレランなど、上記のメニュー以外のものを気分転換として取り入れたり、ラン仲間やTwitterなどでコミュニケーションを取ったりしながら、やる気をできるだけ維持させることが重要のようです。

私の場合は、小規模のレースや、トレーニング目的でハーフや10kmのレースに参加することが、もっとも効果的のようです。昨年はレースのエントリーが少なかったので、今期は月に1~2回程度のペースでエントリーしたのですが、この間隔だと、期日の迫ったレースで好結果を出すことが目下の目標になるので、計画的かつ集中的にトレーニングができ、モチベーションが上がるようです。
記録更新を狙ったフルの大会は年に2回ほどで十分ですが、トレーニングも兼ねたハーフ以下の細かなレースは月1回ペースがオススメです。
目標に向かって頑張り、達成した時の喜びを想像し、明日もランニングにGO。